福井鉄道140形電車
概要
140形は、福井鉄道が所有してした旧型車両の1つです。武生方面の車両と福井方面の車両がそれぞれ異なります。
武生方面の車両(141・142-1)は長野電鉄の車両であり、福井方面の車両(141・142・143-2)は名古屋鉄道瀬戸線の車両でした。編成を組むに当たって、どの車両も扉位置を変更するなどの大掛かりな改造を受けています。
かつては3編成存在し福武線の主力でしたが、2006(平成18)年までには141号のみとなりました。木造の内装、背もたれが前後に転換可能なクロスシート、昔の電車特有の釣り掛け駆動のモータ音、など現在の電車には見られない多くの特徴を持っており、鉄道ファンの人気が高い車両でした。
なお、143号は他の2編成と外観も異なっており、さらに143-1はかつての鯖浦線(せいほせん)で活躍していた車両(40形42号)でした。
2006年4月からは運転士訓練としての運転に使用され、6月以降は休車状態となっていました。同年10月14・15日にはさよなら運転が行われ、正式に運用を離脱しました。一時、車両の保存の話が持ちあがったものの、実現することなく2007年6月に解体され、現存しません。
写真
※車番は廃車時のものに基づいています。
経歴
モハ141-1・142-1
年 | 出来事 |
---|---|
1941(昭和16)年 | 長野電鉄150形として新造、モハ151、152の2両が運行される |
1953(昭和28)年 | 長野電鉄300形に改称(モハ301、302) |
1973(昭和48)年 | 長野電鉄での廃車後、福井鉄道が購入 |
1979(昭和54)年 | 長野電鉄から車両譲り受け、扉位置・座席交換などの改造ののち 福井鉄道140形の車両として運行開始
|
1998(平成10)年 | 600形の導入により、142号解体 |
2006(平成18)年4月1日 | 小型車両運行開始、運転士免許講習のための運転実施 |
2006(平成18)年6月~ | 休車 |
2006(平成18)年10月14・15日 | 141号さよなら運転 |
2007(平成19)年6月 | 141号解体 |
モハ141-2・142-2・143-2
年 | 出来事 |
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1931(昭和6)年 | 知多鉄道デハ910形として新造 |
1964(昭和39)年 | 名古屋鉄道瀬戸線モ900形となる |
1979(昭和54)年 | 名古屋鉄道から車両譲り受け、扉位置などの改造ののち 福井鉄道140形の車両として運行開始
|
1981(昭和56)年 | 名古屋鉄道車両が改造ののち、福井鉄道40形42号と2両編成化
|
1998(平成10)年 | 600形導入により、142号が運用離脱、解体 |
1999(平成11)年 | 600形導入により、143号が運用離脱、解体 |
2006(平成18)年4月1日 | 小型車両運行開始、141号 運転士免許取得のための教習運転実施 |
2006(平成18)年6月~ | 休車 |
2006(平成18)年10月14・15日 | 141号さよなら運転 |
2007(平成19)年6月 | 141号解体 |
モハ143-1
年 | 出来事 |
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1928(昭和3)年~ 1931(昭和6)年 | 鯖浦電気鉄道デハ10形11~13号 |
1947(昭和22)年 | 福武電気鉄道と鯖浦電気鉄道の合併により、モハ40形と改称 モハ41~43の3両が運行 |
1953(昭和28)年 | モハ42の車体交換 →福井鉄道10形との編成での運行、および積雪時の除雪車両となる |
1981(昭和56)年 | 車体の延長改造などを受け、140形モハ143-1となる |
1999(平成11)年 | 600形導入により運用から離脱、解体 |
主要諸元
車両番号 | 竣工年 | 車両長[mm] | 車両高[mm] | 車両幅[mm] | 自重[t] | 定員(席)[人] |
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モハ141-1 | 1979 | 16600 | 4147 | 2750 | 27.5 | 100(50) |
モハ141-2 | 1979 | 16750 | 4158 | 2750 | 30.5 | 100(50) |
モハ142-1 | 1979 | 16600 | 4147 | 2750 | 37.5 | 100(50) |
モハ142-2 | 1979 | 16750 | 3813 | 2750 | 30.5 | 100(50) |
モハ143-1 | 1929 | 16250 | 4045 | 2750 | 28.6 | 100(50) |
モハ143-2 | 1981 | 16750 | 3813 | 2750 | 30.5 | 100(50) |
※類似の車体でも、付属品の有無、台車等で異なる部分がある。