西山公園
西山公園は、鯖江市のほぼ中央に位置しており、市民の憩いの場となっています。そのはじまりは江戸時代の嚮陽渓(きょうようけい)であり、1856(安政3)年、当時の鯖江藩主 間部詮勝(まなべあきかつ) によって、領民の憩いの場として開かれました。現在の西山公園は1915(大正4)年に整備されました。
ツツジとつつじまつり
西山公園はツツジの名所として知られています。ツツジは1956(昭和31)年に植えられはじめ、現在では園内に約50,000株あります(2011年現在)。西山公園では毎年5月上旬、ツツジの花が見頃となる時期に「つつじまつり」が開催されています。なお、園内にはサクラの木も植えられており、4月にサクラ、5月にツツジを楽しむことができます。
「つつじまつり」は元々、1903(明治36)年から「招魂祭」という名で秋に行われていました。戦後には「鯖江商工祭」の名で行われ、1953(昭和28)年には「さばえまつり」と改称、1948(昭和23)年から行われていた「さくらまつり」と並行して行われました。1961(昭和36)年には鯖江観光協会が発足し祭りの運営を担いました。しかし経費の問題から、1964(昭和39)年には「さばえまつり」が廃止され、これに代わって市が開催する「つつじまつり」が毎年開かれることとなり、現在に至っています。
レッサーパンダ
西山公園には、ツツジと並んでレッサーパンダが有名な西山動物園があります。レッサーパンダは、1984(昭和59)年11月から翌年にかけて、日中友好の印として北京動物園から寄贈されました。西山動物園はこれを受け入れる施設として、1985(昭和60)年に開園しました。
日本各地の動物園で飼育されているレッサーパンダですが、その繁殖数は西山公園が日本一です。現在では各地の動物園との交流もあり、繁殖を目的としたレッサーパンダの授受も行われており、西山動物園出身の仲間を各地の動物園でみることができます。
2016(平成28)年3月28日には、水道施設跡地にレッサーパンダ舎「レッサーパンダのうち」が完成し、飼育部屋内の見学通路から様々なレッサーパンダの姿をみることができるようになりました。
紅葉の名所 東山
西山公園は、動物園のある西山と、日本庭園のある東山とに分けられます。ふたつのエリアは国道417号線をまたぐ西山橋で結ばれています。
これまで、西山公園でのイベントは主に西山エリアで行われ、東山エリアはあまり活用されることがありませんでした。そこで2006(平成18)年より、秋の紅葉を生かしたイベント「もみじまつり」が開催されることとなり、期間中の紅葉のライトアップなどが行われるようになりました。
これに先立ち、一般公募から東山には「嚮陽庭園(きょうようていえん)」の愛称が付けられました。これは、西山公園大元である「嚮陽渓」に由来しています。「嚮陽庭園」の愛称が示す通り,東山には東屋と池のある上段の庭、中段の庭、藤棚のある北の庭、の3つの日本庭園があります。
道の駅 西山公園
道の駅 西山公園は、2014(平成26)年4月4日に公園南側にオープンしました。鯖江市を中心とした特産品・工芸品販売のほか、地元の農産物の販売、地場産業の紹介展示などがあり、観光客の新たなスポット・地元住民の新たな憩いの場となっています。また、施設内のイートインスペース(飲食スペース)では、地元食材を利用した道の駅オリジナルのメニューも提供されています。
なお、建物には公園への連絡エレベータ・連絡橋が設置されており、階段での来園が困難な人々に配慮した施設ともなっています。