校外実習 3日目

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8月5日(月) メッキ完了部品の箱入れ,およびメッキ部品の洗浄,水切り・乾燥
 3日目は,まずメッキの終了したテンプルを冶具から取り外し,箱に並べる作業から始まった。 一通り処理が終了した部品であったので,傷を付けたりしてメッキがはがれ落ちる事のないよう,十分に注意して取り外す必要があった。 途中,伝票に記載してあった注文数に対して実際の数が大きく,合わなくなったことがあった。 今回処理を行った部品は,外部からのメッキ注文であったため,数が合わないということはとても大変なことなのだが,指導者の方の確認の上で,今回は余剰分も箱に並べておくことになった。

 その後,1日の大半は,2日目と同じく,メッキ部品の水切り・乾燥作業を行った。 午前中は,それに加えて,メッキ前の部品を掛けた冶具を,「 浸漬脱脂機 」 という機械の中に入れて,部品の洗浄をする作業を行った。 「 浸漬脱脂 」 とは,工業用の強力な洗剤を溶かした溶液の中に部品を入れて洗浄し,部品に付着した脂,汚れ( 冶具掛けのときに付きやすい )を落とす作業のことである。 つまり,部品を専用の 「 洗濯機 」 に入れることと考えれば良い。 この工場では,「 浸漬脱脂 」「 電解脱脂 」( 電気分解の作用で汚れを落とす )を経て,それからメッキ作業を行っている。 今回,作業を任せて頂いた浸漬脱脂は,冶具を溶液に漬けた後,超音波式のタイマーを作動させて,その間,洗浄を行うものだった。 超音波式であるため,動作中は超音波が響き渡って,不快に感じられた。 洗浄が終了した後,水を張った水槽へ冶具を移動するのだが,吊り具を溶液中から取り出すときに,洗剤の膜が付くので,それがはじけたときに,溶液が目に入ったり,体に付いたりすることのないよう気を付けて行った。 僕は中学校時代, 「 メッキ 」 を部活動での実験としてやったことがあったが,脱脂作業について,部品を洗浄するかしないかによって,その出来上がりの良さが違っていたこと( 色合い,汚れ具合 )を思い出した。 そのことから,メッキ前の脱脂作業がいかに重要であるかを再認識することができた。

 一方,メッキ部品の水切り・乾燥作業はある程度慣れたが,午後は一時的に処理をする量が増えたので,指導者の方が,効率の良い作業の仕方や,エアブラシなど乾燥の作業について,色々と注意点を聞き,作業を行った。 特に乾燥作業では,水滴によるシミが部品に残ることの無いよう,丁寧に時間をかけて行ってほしいとのことだったので,エアブラシ,乾燥機の使い方には十分注意した。 多くの数量を扱っている間は,途中で作業の順序を忘れそうになったり,冶具にエアブラシをかけるとき,乾燥機から出し入れするときに,腕に負担がかかったりと,結構大変であった。 作業は簡単であるが,それゆえに難しい点,( 精神的・肉体的に )大変な点が多いということを痛感した。 それだけでなく,今回の作業は,「 作業の効率 」「 丁寧な処置 」,これらが大きなポイントとなることを実感した。

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掲載日: 2006/01/21