種 類 | 特 徴 |
金 |
金はその美しい黄金色の輝きから、多くの装飾品などに利用されている。また、金属中で最も延展性に富み、かつ、酸化に対しても最も安定であることから金めっきには装飾性付与、耐食性向上のどちらにも欠かせない金属である。しかし、金は非常に高価なことからフラッシュめっきと言われる表面のみの薄い膜厚での使用が多い。 金の色調は合金とすることでコントロールできる。例えば、銅との合金はピンク色、コバルト、インジウム、パラジウムとの合金は黄色、ニッケルとの合金は白色、銀、亜鉛との合金は緑色という具合になる。さらに、3元4元と増やせば微妙な色合いも可能となり、合金めっきとすることで金品位を下げコスト面でのメリットもある。また、純金は非常に柔らかいためすぐに摩耗してしまったり、ピンホールの影響で下地から腐食してしまったりすることがある。それらを防止するにも合金めっきは有効となる。 |
パラジウム | パラジウムは白金族元素の一つで、銀白色を有する。延性は白金よりやや劣るが、展性は白金よりやや大である。多くの気体、特に水素を良く吸蔵するため膨張しもろくなる。そのため、パラジウムめっきは内部応力が高くなり、厚付けができないとされている。しかし、その利用価値は高く、金の代替やニッケルフリーとして数多く使われている。また、金めっきと同様に合金めっきとすることでさらに利用価値は広がる。 |
ルテニウム | ルテニウムは白金族元素の一つで、光沢のある銀白色を有する。酸には安定であるが、王水または塩酸には徐々に溶ける。酸化物は黒色を有する。ルテニウムめっきには白色から黒色まであり、用途によって使い分けられる。 |
白金 | 白金は白金族元素を代表する金属で、耐酸化性、耐熱性に優れている。銀白色を有し、銀より硬く展延性に富む金属である。白金めっきは、王水以外には溶けないという耐薬品性から、電極などに利用されている。 |
銀 | 銀は銀白色の光沢ある金属で、電気及び熱伝導性は金属中で最大、展延性は金に次いで大きい。水、酸素に対しては安定であるが、オゾンにより黒色の過酸化銀を生成する。また、イオウと反応して硫化物を生成し黒変する。銀めっきは、その独特の優雅な色調から塗装と組み合わせて利用される。 |
ニッケル | ニッケルは銀白色の金属で、鉄と同様に展延性に富むが、鉄より安定で酸化されにくい。最近はニッケルアレルギーの問題から敬遠されがちだが、凹凸が激しい表面でもニッケルめっきのレベリング作用によってピカピカの光沢を付与することができるすばらしい金属である。また、いろいろな金属と合金化しやすく利用価値が高い。 |
クロム | クロムは光沢のある銀白色を有し、耐食性、耐摩耗性に利用される。クロムめっきには白色と黒色がある。 |
銅 | 銅は赤色で光沢があり、伸展性に富む。電気伝導率は銀に次いで良い。銅めっきはニッケルと共にそのレベリング作用から下地めっきとして多く利用される。 |