< まとめ >

 校外実習では,これまで自分の持っていた 「 職 」 に関する意識を変え,その視野を大きく広げることとなった。

 今回の実習先であった株式会社ホリカワは,メガネ枠の製造工場であり,自分の所属する学科とはほとんど関わりのない職種であった。 しかし,メガネをつくるのに,予想できないほど多くの工程を経ていること,また,その各工程で,多くの労力が費やされているということを実感することができ,メガネに対する見方が変わった。

 校外実習では,実際に工場内の各部署に配置され,そこで実際の作業を行った。メガネ工程のほとんどは 「 単純作業 」 であり,工程によっては,危険を伴うものもあった。 「 単純作業 」 はある一定の作業を,何時間も行うため,長時間になれば,肉体的にも精神的にも疲労が溜まる作業であった。 しかし,このような作業があることでメガネができていること,また,「 単純作業 」 はただ作業を行うだけよりも,自分なりの目標( 例えば 「 1時間に何枚のメガネを処理する 」 など )を立てて行ったほうが,意欲も出て作業に打ちこめる,ということを工員の方々から聞くことができ,とても貴重な経験をすることができたと思う。 さらに,実習中には,「 企業 」 と 「 学校 」の違いについて,「 企業 」 では製品の納期の関係から,それぞれの能力に合った作業を割り当てる,といったことを見聞でき,納期のない 「 学校 」 との違いを知ることができた。

 今回の実習では,工場で実際に作業を体験することで,働くことの大切さや,「 企業 」 と 「 学校 」 の違いを実感することができた。 高専生は4年になれば,誰もが日本各地の様々な業種の企業へと赴き,実際の作業や作業体験,あるいは見学といったことを行う。 また,高専生でなくとも,大学生ではインターンシップといった,高専の校外実習に当たるものを行うだろう。 ここで,もしかすると 「 校外実習なんて面倒くさい 」 と思う人もいるかもしれない。しかし,就職やアルバイト以外に,実際に企業へ入って,そこで作業を体験できるのは,まず校外実習以外には考えられないだろう。 中には,就職をしたのと変わらない作業をさせてくれる所もある。それに,校外実習中には,作業だけではなく,そこで働く方々からの話も聞くことができるので,自分たちの 「 職 」 に関する考えをきっと変えることになるだろう。 結論付ければ,校外実習は 「 行かないよりは行った方が良い 」 ,もう少し力を入れるなら 「 行けば必ず何かを見つけることができる 」 となる。 ただ,校外実習に行った後の結論はともかくも,実習に行って 「 働くのは嫌なこと 」 と結論付けるのだけは避けたほうがいいと思う。 もしそういうような悪いイメージを持ったとしても,そのような仕事もあることで社会が成り立っていることを決して忘れてはならない。

 校外実習では,それぞれの実習先によって,実習内容も様々だが,

 実際の作業を体験したり,会社の人の話を聞くことで,「 働く 」 ことについて改めて考えることができるだろう。

 最後に,校外実習を終えて,僕の思った一つの結論は

 「 働く 」 ことと,働いている人に感謝しよう

である。 勤労感謝の日( 11月23日 )にでも掲げられそうな文句であるが,学生のうちに働くことの大切さを知ることができるのは,恐らく校外実習だけであろう。

 日本経済は依然として回復の兆しを見せてはいず,就職難が続いている。まさに 「 職を持つ 」 ことが難しい今であるが,このような時代だからこそ,「 働く 」 ことについてその意義を考えることが必要ではないだろうか。

2002年9月25日 作者 記す


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掲載日: 2002/08/30