陽極酸化の説明

陽極酸化とは、その名の通りプラス極で通電して酸化させる、つまり強制的に錆させる処理のことで、アルミニウムにおける「アルマイト」が代表的です。 アルミニウムやチタンなどは、自然に酸化膜ができて素材を保護していますが、さらに化学的に酸化膜を作ることにより、表面を丈夫にしたり、色を付けることもできます。

チタンの加工例

チタンの酸化膜は、表面を完全に覆う透明なバリヤー皮膜で、光の屈折率が大きいことから入射光と反射光が干渉しあって虹のような発色をします。また、電解電圧に比例して酸化膜の厚さ、つまり色をコントロールすることができます。 さらに、電解液や条件を工夫すれば光触媒作用が現れます。

チタン陽極酸化工程の解説はこちら


アルマイト皮膜の模式図

一般的なアルマイトは、チタンのバリヤー皮膜に対し、上図のような微細孔だらけのポーラス皮膜が形成されます。これは、酸化皮膜の成長とともに硫酸根などのイオンにより溶解されるためで、電解時間に比例して皮膜の厚さも増加していきます。 さらに後処理として、この微細孔に染料を入れたり、電気めっきのような方法で金属を析出させて着色することもでき、最後に封孔処理で品質を向上させています。また、この微細孔はいろいろな分野で利用されており、例えば大きな表面積の絶縁膜を必要とする電解コンデンサなどが有名です。