≪ 編入学とは? ≫

< 目次 >


1.編入学とは

 編入学とは,卒業した高校・高専・短大から,別の高専・大学などへ移るもので,転校や新入学とは異なる。具体的には,以下の表に示す通り,卒業時の学歴によって編入学先での学年が異なる( もちろん入学ではないので,1年次から始まるわけではない )。ここでは、主に高専から大学への編入学について紹介を行っていく。

編入学元(卒業時) 編入学先(学年) 備考
高校(工業系など) 高専(4年次)  
高専(本科) 大学(3年次) 大学によっては2年次に編入学することもある
短大 大学(3年次) 同上

 編入学をするに当たり、授業料などの金銭に関する問題が重要となる。この点については、大学編入学よりも専攻科進学(高校からは高専本科への編入学)の方が有利である。一方、大学への編入学は確かに、高専よりも授業料等の諸経費が高くつくが、高専よりも開講科目が多いこと、新しい環境に入ることでより多くの経験を積む事ができる、などの面では、そう無駄なものではない。いずれにしても、進学先を考える際には、家庭の事情も考慮した上で決定 した方が良い。

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編入学の仕組み

 前節で述べたような編入学を行うには,当然ながらそれなりの準備と条件が必要となる。ここでは,高専から大学への編入学を例として説明していくことにする。

 編入学を行うには,編入学予定の大学や高専に種々の書類を提出し,なおかつ編入学試験に合格する必要がある。編入学の募集については,毎年各大学などから募集要項が出されているので,高校の担当職員や高専・短大の教務窓口などを通じて入手すると良い。

 編入学用の書類提出や,試験の期日は各高専・大学によって異なるので,募集要項を確認し,必要書類を期限までに取り揃える,試験対策の勉強を行っておく,などの準備を行う必要がある。書類によっては発行までに時間がかかる( 推薦試験のための推薦書など )ものもあるので,編入先が決まったら,早めに準備をしておく。また,編入学の試験については,推薦・学力に関わらず,募集要項や過去の出題範囲を参考にし,3ヶ月以上前には勉強を始めておきたい。

推薦  所属学校の学校長の推薦を受けた学生が受験する。

 推薦の試験内容は,概ね面接を兼ねた口述試験の形式で行われる。そのため,募集要項で提示される(または過去出題された)試験の科目の勉強だけでなく,面接の練習が必須となる。

 面接では大学の場合,大学の志望理由,編入学後の進路,卒業研究の内容,得意分野などが質問としてよく出される。

 推薦を受けるには,各大学が定めている基準(成績の順位など)に,自分の学力が達していなければならない。この基準は,編入学試験を受ける時点での成績ではなく,入学時からそれまでの成績が対象となるので,入学当初から編入学を受ける意思のある者は,成績に注意する必要がある。
学力  所定の書類を提出し,筆記試験と口述試験の両方を受験する。  推薦のような基準はないが,筆記試験を合格することなどを考慮すると,やはりそれなりの学力が要求される。

 

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編入学先での履修内容について

 編入学先の学科では,その学科での開講科目を受けるなどして所定の単位を取得し,卒業または大学院への進学要件をそろえる。但し,編入学生である立場から,次のような点に注意する必要がある。

 まず単位取得上で,編入学生はある程度までの単位数を認定される。認定方法は,大学での認定試験による認定方法,編入前に所属していた高専・短大の成績を元にした単位認定などがあり,各大学によって異なる。

 次に,編入学生は学部3年(または2年)に編入するため,単位取得の条件と受講できる科目については,同じ学年の学生の入学年度にあわせたカリキュラムに沿って履修する(各学年によって適用されるカリキュラムが異なっているので注意)。卒業研究着手や卒業に必要な単位を取得するために、編入生は一部の科目について、学部1、2年の講義を受ける必要がある( このとき、再受講生と同等の扱いとなる場合が多い )。

 

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(作者余談)高専からの編入学生

 高専から大学へ編入学した場合、高専生活との相違点は以下のようになるだろう。

 また、学問に関する事項では、以下のようなことが挙げられる。

(学力) 大学在校生に比べ、専門分野での知識、実績がある(事が多い、との事(大学教員から良く聞かれる))

…一般の大学で受講するような内容は、高専5年間のカリキュラムで大体受けることが出来るようになっている(そもそも、それが高専の特性であるが)。そのため、同年代の学生と比べ、学習内容が進んでいる場合が多いという。これに加え、卒業研究での経験も関係しているのかもしれない。

(履修) 単位振替の制度上、「再履修」が必要な科目が出ることがある

…各大学の事情にもよるが、この問題により、「必修科目の履修を優先しなければならず、本当に受けたい科目を受けられない」という事態も起きる。このため、学問での更なる向上を目指して編入学した学生にとっては、2年間の在学では十分とはいえず、そこで大学院への進学を考える必要が出てくる。

 

 

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最終更新日: 2007/11/23